現代の歯学・医学の教育は、細分化されすぎていて、覚えなければいけない知識は増加の一途をたどっています。しかし、ある専門分野の診療や研究に従事しているうちに、他の領域の勉強をしたり、臓器間の関係性、臓器と全身の関係性を見たりする余裕がなくなり、いつしか興味も失い、自分の専門以外の領域を診ない、診れない、診なくてもよい、医療システムの中に埋没してしまいます。
しかし、人の体は、各臓器がおのおの有機的につながっており、トータルとして絶妙なバランスを保った上で、機能するようにできています。臓器別に故障した部位を治療する現代医療は、全体の臓器のバランスを見極めたうえで、問題のある臓器に着手し、治療を行っているのであればまだよいのですが・・・・。しかし、まるで機械のパーツのように、最初から故障した臓器だけをみて、治療が行われているのであれば、さらに病態をこじらせ、ややこしくしていることになります。
東洋医学やホリスティックの観点から、複雑な病態をもった患者さんを診療をしている医療従事者ならば、容易にこの点に気づけますが・・・偏った医学知識しか持っていない医療従事者では、そのことに気付かないことが多いようです。
病変部位の治療をしたが、その後に残った機能異常に、患者さんはその後ずっと苦しめられることはよく見受けられます。まさに、治療結果の一つの残念な形です。
|